We are SMAP!
「俺、幸せ!!」
「………はぁ?」
不意に言葉の通り幸せそうに叫んだ剛を尻目に、冷たく言い放つ慎吾。
何その反応つめた!!とか思いつつも、そうやって反応してくれた慎吾はまだいい方で
他の3人は3秒前に起こった出来事がまるでなかったかのように無反応だ。
「ちょっとぉぉぉ!!!無視かよ!すまっぷぅぅ!!」
「剛、酔ってんの?」
「酔ってないよぉ!!」
「え、脱いじゃう?脱いじゃうの??」
「慎吾!それ禁句だから!酔っ払い帰ってきちゃうから!!!」
「木村君、そんな時期ネタいらないから!つーか俺酔っぱらってないっつーの!!」
ドS三人組の猛攻撃にふんだりけったりの剛を見て、もうそろそろかと言わんばかりに
にっこり笑って吾郎が助け船を出す。
「剛、何が幸せ?」
やっと話を本題に戻され、剛は吾郎の方を見てぱぁっと顔を明るくする。
「てか吾郎さん、聞いてたんならなんか言ってよ」
「ごめん、独り言かと思って」
「『俺幸せっ』ってどんな独り言だよ。悲しすぎるだろ」
苦笑する木村に、君だってスル―してたじゃないと吾郎は口を尖らせる。
自分の渾身の叫びを独り言扱いされて、しょんぼりする剛を見て、中居は小さな声で「で?」と呟く。
「何が幸せ?」
「うん…俺さ、」
「We are SMAPでいれてすごく幸せ!!今までSMAPとして生きてきて、
これからもSMAPとして生きていくことがすごく幸せ!!」
満面の笑みでそう言う慎吾に、4人は10秒ほどキョトリとして固まった後、何事もなかったかのように今までの動作を続け始めた。
「なんだ、そんなことか」
「ちょ、そんなことぉ!?」
「何事かと思ったよ、時間とらせないでよーつよぽん」
「つめたぁ!本気で冷たいこの人たち!!吾郎さんどう思う!?」
「………」
「吾郎さんまで『僕も中居君と慎吾と同意見だよ』みたいな顔しないでくれる!?なんか泣きたくなってきたんですけど」
このままだと本気で泣き出しそうな剛を見て、木村は小さな溜息を吐くと剛、と小さく呼びかけた。
「皆さ、剛と同じこと考えてんの。その考えが当たり前すぎて『そんなこと』って言うんだって。
剛の考えを否定してる人なんて誰もいないから」
「………」
少し涙ぐみながら木村の話を聞いて一瞬何かを考える素振りをした後、剛は無言で他の3人を見つめる。
「木村君の言う通り。SMAPで幸せーなんて当たり前すぎてさ。そんなこと言うなら俺なんて超幸せだよ」
「でも当たり前のことでも、たまには言葉に出すって大切だよね。改めてなんか絆を感じるでしょ。
僕もSMAPの一員でいられてすごく幸せだよ。これからも宜しくー…って言うのもなんか変な感じだね」
そう言いながら照れ笑いをする吾郎を見て、慎吾が「さすが吾郎ちゃん。期待を裏切らないコメントだね」と
笑うと、その言葉をどう捉えたのか吾郎は満面の笑みで「ありがとう」と握手を求めた。
さぁ最後は一番の難関のあの人。
剛はじぃっとメンバーの中で一番小柄なその男の背中を見つめた。
最初は微動だにしなかったその背中は、剛の粘り強い視線に負けたのか、しばらくするとくるりとこちらに振り向いた。
「あぁもう、うぜぇな…いつまでも見てんじゃねぇよ!」
「中居君は?」
そう言われるのは慣れっことばかりに、剛は中居を見つめて首をかしげる。
中居はふぅとため息をついてしかめつらをしていたが、剛を見て、その後他の3人を順番に見つめると
困った様に、そして恥ずかしそうに笑った。
「当たり前だろ?そんなこと。俺はこの中で一番SMAPの事が大好きだからな」
4人は一瞬、中居のその笑顔に瞳を奪われたが、それを見て中居の頬が少しずつ赤くなってきたことに気づき
慎吾は慌てて口を開く。
「何それぇ!中居君がそんなこと言うなんて、さては今日のライブ…吾郎ちゃんのダンスがめちゃくちゃだな☆」
「それいつものことだろう」
「木村君その言葉聞き捨てならない!!僕最近自分ではダンスいけてると思ってるんだけど!?」
「ごろちゃん……眼鏡変えた方がいいんじゃない?」
「ちょちょちょ……中居君、こういうときだけ無駄に可愛く言うのやめてくれる」
今度は剛に変わりドS三人組の餌食になった吾郎を見てほほ笑みつつ、剛は心の中で呟く。
皆はそう言うけど、俺はやっぱり何回いっても足りないや。
だからもう一回。
「SMAPでいられて幸せ!」
あとがき
ひっさしぶりのshort更新…!
こんなことが、ライブ前の楽屋とかで
繰り広げられてたらいいなぁと思います。
案外兄貴はやってくれそうだと思ってるのは
私だけかな?ネガティブ!!←
いつまでも、We are SMAP!でいてください!
(10.08.07)